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あご野焼きとは

あご野焼とは
島根・松江では初夏に旬を迎えるトビウオを刺身や塩焼き、煮付けなど、さまざまな料理にして食してきた。「顎が落ちるほどおいしい」ことから、トビウオを「あご」と呼んで親しんでいるが、このあごを用いた松江の名物があご野焼です。脂が乗った旬のトビウオを主としたすり身に江戸時代から地元に伝承されてきた地伝酒などで調味。それを棒に巻き付け、丹精を込めて一本一本炙り焼きにする。創業270年以上の歴史を持つ(有)長岡屋は約40年前に直径6.3cmの極太のジャンボあご野焼を開発。10年前にあご野焼のすり身を使った燻製をリリースするなど、あご野焼の付加価値を追求した新製品作りに力を注いでいる。
軒先で焼きあげる蒲鉾
山陰地方ではトビウオを「あご」と呼ぶが、6~7月には産卵期を迎え、脂を蓄えたトビウオが島根県沖に来遊する。その時期になると竹に巻きつけたトビウオのすり身を軒先で炭火焼きにするのが、古くから島根・松江における初夏の風物詩だった。そして、屋外で香ばしい煙を上げて蒲鉾を焼きあげる様子から、「あご野焼」と呼ばれるようになったという。
あご野焼は国内で水揚げされたトビウオをすり身の7割以上に使用し、出雲地方に伝わる「地伝酒」、または地元の日本酒、焼酎をベースとした調味を施しているのが特色だ。トビウオは淡泊でありながらも旨みが濃く、身が締まっているために蒲鉾にしても非常に弾力がある。そこに炙り焼きの香ばしさとお酒の風味が加わるため、酒肴にぴったりの郷土料理といえる。